ADHD(注意欠陥多動症)
成人の3〜4%が当てはまるとされているADHD。
幼少期に見過ごされた場合、社会生活を送る中で症状を強く感じるようになる傾向があります。
1.大人のADHDの症状
ADHD(注意欠如多動症)
生活への影響
- 忘れっぽさが人間関係やスケジュール管理に影響を及ぼすおそれがあります。
- 興味を持ったことやハマったことに集中しすぎてしまい、自身の疲労やストレスを感知できずに体調を崩してしまうことがあります。逆に興味のないことだと集中できないため、作業がはかどらないといった問題が起きる場合があります。
- 衝動的な言動によって人間関係のトラブルやケガや事故に直面するおそれがあります。
ADHDは大きく分けて3つの型に分かれます。
不注意優勢型 …気が散りやすかったり忘れっぽかったりする。目に見える形では動きは少ないが、 ”頭の中が多動”な状態。
多動・衝動性優勢型…動きが活発で、落ち着きがない。感情のコントロールが苦手。
混合型…不注意と多動。衝動性の両方の特徴をもつ。
ADHDの症状に心当たりのある方は以下のボタンからセルフチェックをしてみてください。
2. ADHD診断の流れ
初診(医師診察)
「現在起きている問題」や「職場や私生活でのトラブル」などをヒアリングします。
ヒアリングの後に実際の検査日をスケジュールします。
検査
検査は3つの心理検査を組み合わせて行います。
結果説明
検査結果の説明ではそれぞれの検査項目の結果を総合した診断結果をお伝えします。
以下は、検査希望者向けの概要となります。
- WAIS-IV知能検査に加えADHD特殊検査と自閉症スペクトラム(ASD)の傾向の有無から総合的に検査します。
- 対象年齢: 16歳以上の大人
- 検査をご希望の方は診察時に医師にご相談ください。
当院では15歳以上16歳以下の方向けにはWAISの代わりにWISCを用意しております。
3. ADHDの治療
ADHDと診断された患者さまには治療を提供しております。患者さまの必要に応じて環境調整診断書による環境への働きかけや、ADHD対処用スキルトレーニングといった心理療法を行います。具体的には生活環境や職場環境をご本人適応しやすいように調整したり、考え方や行動パターンを見直し、改善したりします。
お薬での治療が必要な方へ
ADHDと診断された場合、お薬による治療は保険適用です。
主な治療薬
- ストラテラ
- インチュニブ
ADHDの治療薬は、その効果によって症状を緩和できますが副作用もあるため、お薬との上手なつき合い方が大切になります。医師と相談しながら治療を行いましょう。
カウンセリングが必要な方へ
当院ではカウンセラーによるADHD対処用スキルトレーニングを提供しています。
ADHD対処用スキルトレーニングには、認知療法や行動療法など様々な心理療法があります。
心理療法は長期的なアプローチが必要になりますが、自身の性質を細かく把握し、自分の気づいていなかった思考の癖に気づくことによって自己理解を深め、今後どのように変わっていきたいかカウンセラーと一緒に考えます。