Roppongi Clinic 六本木クリニック

心療内科・精神科・メンタルクリニック

心の病気は早期の治療が大切です。

患者様の症状に合わせて適切な治療・サポートを行います。

ADHD(注意欠陥多動症)

成人の3〜4%が当てはまるとされているADHD。

幼少期に見過ごされた場合、社会生活を送る中で症状を強く感じるようになる傾向があります。



ADHD(注意欠如多動症)

生活への影響として対人関係の問題やトラブルに巻き込まれることがあります。また衝動性がつよく、怒ったときやや興奮したときに突拍子もない行動をしてしまい、トラブルを引き起こしてしまうことがあります。さらに興味を持ったことに執着する傾向があるため、疲労やストレスを感知できずに体調を崩すことがあります。

不注意優勢型 …気が散りやすかったり忘れっぽかったりする。目に見える形では動きは少ないが、 ”頭の中が多動”な状態。

多動・衝動性優勢型…動きが活発で、落ち着きがない。感情のコントロールが苦手。

混合型…不注意と多動。衝動性の両方の特徴をもつ。


不注意症状

  • 仕事や会話などに集中し続けることができない
  • 計画が立てられない
  • ミスや紛失物が多い
  • 話しかけられても上の空になりやすい

多動性・衝動性症状

  • じっとしていることができない
  • デスクワークで、よく席から離れる
  • 落ち着かない
  • 動きが多い
  • 突発的な言葉や行動が多い

2. ADHD診断(WAIS-IV・WISC-IV検査)の流れ

初診

「現在起きている問題」や「職場や私生活でのトラブル」「本人が感じる生きづらさ」までヒアリングします。

検査希望の場合:医師は「発達障害と関連性があるか」、「日常生活にどれだけ支障が出ているか」等を診てゆき、ご本人に検査を受けるかどうか伺います。

検査当日

検査には約1.5~3時間ほどお時間をいただきます。

検査結果

検査から結果が出るまでに約2週間ほどかかります。検査結果の説明ではそれぞれの検査項目の能力値、問診と検査を総合した心理士による診断を行います。

以下は、検査希望者向けの概要となります。

  • ADHD診断には、WAIS-IV知能検査と必要に応じて追加の心理検査を行います。
  • 対象年齢: 16歳以上の大人
  • 検査をご希望の方は診察時に医師にご相談するかメールでお問い合せください。

当院では15歳以上16歳以下の方向けにはWISC-IVをご用意いたします。WISC-IVはWAIS-IVと対象年齢は異なりますが、目的は同じです。

当院ではADHDに限らず、他の発達障害の診断も同時に行うことができます。他の発達障害の疑いもある場合もお気軽にご相談ください。



薬物療法は治療全体の中の一部で、環境への働きかけや、行動療法的アプローチといった「心理社会的治療」と、組み合わせておこなっていきます。一般的にADHDの治療は、心理社会的治療が優先して検討されますが、これらの取り組みだけでは生活が改善しない場合、お薬による治療を行なっていくとされています。


お薬での治療が必要な方へ

ADHDと診断された場合、日常生活を暮らすうえで本当にお薬が必要かどうかを慎重に見極めなくてはなりません。お薬による治療は保険適用されます。

ADHD治療薬の種類は3つ

コンサータ

効果としては、脳内のドーパミンという物質を増やすことで、脳の覚醒度を上げ、ADHDの症状を改善します。不注意や頭の中の雑音、モヤモヤに強い効果を発揮しますが、脳の興奮を高めてしまうことがあります。当院は処方の認可を得ていますが、処方の際はに患者様の情報を登録する必要があります。

アトモキセチン(ストラテラ) 

効果としては、脳内のノルアドレナリンという物質を増やすことで、症状を改善します。特に、過集中に対して視野を広げる効果があると言われています。服薬を始めた時期に、副作用がみられることがあるので少量から始めます。効果が感じられるまでには数週間かかりますが、副作用はコンサータより感じにくいと言われています。

インチュニブ

効果としては、α2Aアドレナリン受容体を刺激することで、症状を改善します。多動性や衝動性や多集中に効果があると言われています。前頭葉の働きをよくするだけでなく情動を安定させる働きもあるお薬です。
効果の強さはコンサータとストラテラの中間位に位置づけられることが多いです。

ADHD治療薬の注意点と、上手なつき合い方

ADHDの治療薬は、その効果によって症状を緩和できます。そのため、お薬との上手なつき合い方が大切になります。医師と相談しながら治療を行いましょう。

当院ではカウンセラーによる心理療法を提供しています。

行動療法には、認知療法行動療法など様々な心理療法があります。

カウンセリングは長期的なアプローチが必要になりますが、自身の強みや弱点を細かく把握し、自分の気づいていなかった思考の癖に気づくことによって自己理解を深め、向上心を培います。どのように社会と関わりたいか今後の行動的な対策をしたい方に適しています。


4.ADHD方へのアドバイス

タスク管理がうまくいかない場合

タスクを細分化して、やるべきことを具体的にしたToDoリストを作ることをお勧めします。

タスクが複数ある場合、どのタスクが重要によって優先順位をつけるようにします。 優先順位が分からない場合は上司や周りの人達に確認します。

他のことに気が散りやすかったり、集中しすぎてしまう場合は、タスクごとにアラームをセットするようにします。

重要なタスクや注意点が、後でもわかるように色を用いるのがよいでしょう。タスクに追われているうちに収拾がつかなくなるといったことを防ぐために、一度落ち着いてタスクを見直し、整理整頓時間を作るようにします。

タスク管理は、ADHDがある方にも有効で、うまくできれば仕事の効率化が図られ、自分自身も楽になるものです。是非タスク管理に挑戦してみてはいかがでしょうか。


ADHDが疑われる方は近年増加傾向にあり、適切な治療を行うことで生活の質を向上することができます。ADHDを始めとする心理検査では多角的な観点から複数の発達障害を同時に検出することが可能です。まずは医師に相談し、お困りごとや検査希望の要旨をお伝えください。患者様に合わせて検査や治療のご提案をいたします。