カサンドラ症候群
家庭や職場でASD・ADHDの特性のある方とのコミュニケーションや関係の維持において苦しんでおられませんか?カサンドラ症候群は見過ごされるとストレスが限界を迎え、重大な精神疾患に発展する場合がございます。辛い、苦しいと思ったときにご相談ください。
1.カサンドラ症候群とは
カサンドラ症候群とは、パートナーとのコミュニケーションに問題があり、その関係の維持に疲弊してしまい、次第に心身に不調が生じた状態を指します。
カサンドラ症候群は、パートナーがASD(自閉症)やADHDといった発達障害やそれに似た特性を持つ場合により発症しやすいです。例えばADHDを持つパートナーに頼み事をしたが日常的に忘れられてしまい、自分の事は相手にとって重要なのかわからなくなる、ASDを持つパートナーに複雑な感情を分かってもらいたいがなかなか理解されない日々が続いて疲れた、などが典型的な例です。
カサンドラ症候群の二次障害としてうつやパニック障害などが挙げられます。度重なるストレスや衝突などが限界に達すると精神疾患に発展するリスクが高まるため注意が必要です。家庭内でのストレスにどう対処していくか、癖のあるパートナーとどう向き合ったらいいかなどひとりで悩んでいる方は当院へご相談ください。
2.カサンドラ症候群の原因
カサンドラ症候群の原因は多くの場合パートナーとの関係の機能不全にあります。ASDやADHDの特性のあるパートナーは意思疎通が難しいことがあり、関係を維持するためにはより一層の努力を要します。さらにパートナーが夫や仕事仲間といった日常的に接する人にあたる場合、カサンドラ症候群はより深刻になります。
パートナーにASDやADHDが疑われる場合は当院の記事を読んでみましょう。
共感性や想像力に欠けるといった症状のあるASDや虚言癖や衝動性の症状のあるADHDのパートナーを持つ方にとって日常生活は話し合いだけでは乗り越えることのできない試練の連続とも言えます。理解者となるはずのパートナーに理解してもらえない苦しみは大きく、第三者による助けが必要です。
ASD傾向のあるパートナーを持つ方の例
- 自分の悩みを打ち明けてみたが、論理的なアドバイスをくれただけで慰めてもらえなかった。
- パートナーとの関係を改善したい一心で相手の言動に対する疑問を問いかけてみたが、相手は根本的な原因が自分にあることを理解できないままだった。
ADHD傾向のあるパートナーを持つ方の例
- 頼み事をしたが忘れられてしまうことが続いて自分で何でも確認しなければいけないことに疲れた。
- 二人の関係性の問題について触れてみたがその場限りの口約束をして後回しにされるので頼れなくなった。
またパートナーが仕事面では上手くいっていたり、経済面で問題がない場合などは周囲からも家庭内の問題は気づかれにくく見過ごされてしまう可能性が高まります。本人も「まあわたしが我慢すればいいか」と思って問題を放置してしまうケースもあり得ます。
その結果、自己肯定感が低くなったり、パートナーとも表面上の関係に陥りやすくなってしまいます。
また相手がASD・ADHDを持っているいないに関わらず故意にハラスメントをしている場合もあるため見極めが必要です。その場合もご相談ください。
3.カサンドラ症候群の症状とは
カサンドラ症候群の代表的な症状
- 度重なるストレスが原因で体重が落ちた・睡眠がとれない
- 「将来が見えない・続けるのが疲れた」といったように二人の関係に絶望する
- 長く寄り添ったパートナーの影響で本来の自分を失ったように感じる
- 何度話し合っても分かってくれないパートナーに嫌気がさす
放置して深刻化した場合に出る症状
- 睡眠不足による片頭痛やめまい
- 食欲不振・セルフネグレクトによる体重の増加、減少
- 自己肯定感の低下
- トラウマや恐怖によるパニック障害
- 社会的孤立による抑うつ・無気力
- 精神的・肉体的ストレスと過労による疲労感
- その他の精神疾患
カサンドラ症候群は放置しておくと精神疾患に発展する場合があります。
4.カサンドラ症候群になりやすい人とは
ASDやADHDの特性のある人と日常的に接する生活をしている方に発症しやすいです。パートナーや親、兄弟、先輩、後輩など関係は様々です。また、ビルの管理人やご近所さんにあたる場合もあります。
さて、本人の特性はどうでしょうか。カサンドラ症候群になりやすい方には以下の性格的特徴があります。
諦めない人
諦めない性格の人や頑張り屋の人はより症状が出やすく、また深刻化しやすいです。早々とパートナーとの関係を諦めてストレスフルな日常から離れることを選択する見切りの良い人とは違い、なんとか頑張って関係を維持したいと努力を続ける人ほど、パートナーから期待を裏切られることが重なり、カサンドラ症候群に陥りやすくなります。
自己肯定感の低い人
自己肯定感の低い人は「こんなもんか」と受け入れてしまう場合もありカサンドラ症候群に陥りやすい傾向にあります。
世話好きの人
世話好きの人も「わたしがなんとかしてあげたい」と相手に尽くしてしまい、カサンドラ症候群に陥りやすくなります。
5.カサンドラ症候群の治療・対処法とは
六本木クリニックでは医師による診察を通し個人に合わせた治療を行います。
医師診察
カサンドラ症候群の症状が既に深刻化しており、日常生活に支障が出ている場合にはお薬による治療を勧める場合があります。当院はうつ病、不眠症、パニック障害、PTSDといった多様な精神疾患を取り扱っているため、患者様の症状から状態を特定することが可能です。お気軽に医師にご相談ください。
心理カウンセリング
また、パートナーがASD・ADHDを持っているいないに関わらずカサンドラ症候群の症状がある場合や、相手にハラスメントの疑いがある、とにかく話を聞いてもらいたい場合は、まずカサンドラ症候群の疑いのある患者さまご自身が当院の心理士に相談することをお勧めいたします。当院は、ASD・ADHDの検査と診断を行っているためパートナーの診断の要否についてもご気軽にご相談・ご予約ください。
カップルセラピー
治療の一環としてカップルセラピー(ペアカウンセリング)をお勧めする場合がございます。当院は経験豊富な心理士によるカップルや親子のカウンセリングを用いた治療を行います。またバイリンガルの心理士も多数在籍しており、国際カップルの方も安心してご利用いただけます。画面上の診察予約からご予約ください。スタッフ一同お待ちしております。